ブログへのご訪問、誠にありがとうございます。手羽先や手羽元を料理していると、ついつい関節の構造が気になります。ひとよし鍼灸接骨院スタッフ佐藤です。
前回のブログは、非特異性腰痛についての内容でした。特に、三つの謎の内容については、患者さんとのやり取りの中で伝わってくる腰痛への「間違った解釈」や「誤解」の声とも言えます。詳細は上記クリックで前回ブログのチェックをお願いします。
ネット上で多いのは、一般向け情報です。非特異性腰痛の分類に該当する方の特徴や対処法が探しにくいのも、「間違った解釈」「誤解」を招く原因の一つと個人的には思っています。
腰痛と戦う上で、初期治療や考え方はとっても大切です。
では本日も、腰痛の古い常識を脱ぎ捨てていきましょう!
以前の腰痛もじっとしていれば良くなったし今回も安静に…
日にち薬って言葉もあるでしょ?放って安静にしておけば自然と…
特に問題ありません。シップ出しますので安静にして様子をみてください…
実はこんなありふれた対処法も、実は間違った対処法になる可能性があります。
非特異性に分類される腰の痛みは、安静にしておくという対処方法との相性が悪いのが特徴です。
下肢神経症状や重篤な基礎疾患(骨折、感染症、腫瘍などのred flag sign)がなく、画像診断とも一致しない腰の痛み
もともと腰痛の割合の85%を占める非特異性なので、安静にしておく対処法ではほとんどの方が初期治療を間違えることに繋がります。
ここで、オーストラリアで行われたある面白い実験をご紹介いたします。
[box class=”blue_box” title=”実験内容”]メディアを活用し【腰痛になっても安静にせず、可能な仕事を続けましょう】という内容のCMを放送した[/box]
メディアを活用し【腰痛になっても安静にせず、可能な仕事を続けましょう】という内容のCMを放送した
CMを流れている地域では、流れていない地域に比べて、
- 腰痛の改善率の上昇
- 腰痛リスクの減少
このように、正しい知識の普及は、腰痛を改善させることに繋がり、 間違った知識の蔓延は、腰痛の悪化や慢性化に繋がってしまいます。
あなたの知っている常識はいかがでしょうか?
「そんなこと言ったって、実際腰が痛いのに動いていられないでしょ!」
というお声が聞こえてきそうなので、カラダの仕組みにすこし踏み込んで解説いたします。
非特異性の腰の痛みの原因はいくつもある!
そもそもヒトの腰は不安定な構造をしています。
前方は内臓があるため、骨という硬い組織による安定構造をとれていません。
腰椎という腰の背骨を中心に、上部からは胸や頭部の重みがかかり、下部からは骨盤と足で重力や床からの反発力を受け止めなければいけません。
その不安定さが故に、安定させる全身機能を進化させてきました。
その機能を獲得するトレーニングを赤ちゃんの頃から一生懸命します。首や腰が据わるなんて表現しますよね?
大きくオギャーっと泣いて腹部や腰部の深層筋を鍛え、次はハイハイ、つかまり立ちと徐々に立位まで成長していきますね。
シンプルで緻密な安定化機構を働かせて、腰を安定させる機能を発達させます。通常、痛みなく過ごすことができるのもその為です。
そういった点を踏まえて、非特異性の痛みの原因で共通して言えることは、
- 安定機能が破綻または低下することにより、運動器への負担が増加
- 繰り返しかかる負担に対しての運動器のダメージ蓄積により抵抗力が減少
このように、負担が増大と抵抗力の減少で、さらに受け止める負担は増え、悪循環を引き起こします。
活動性を維持し、少しでも安定機能を取り戻すことに繋げ、痛みを徐々に少なくしていかなければなりません。
本日のまとめ
- 腰部の安定機能の破綻を引き起こす主たる原因は、カラダを動かさないこと
- 非特異性腰痛が安静との相性が良くない理由は、痛みの原因と対処法の悪循環をより強くしてしまうから
ブログをご清覧いただきありがとうございました。